けんぽニュース&お知らせ

2021年10月07日

乳がん検診は受けましたか?

10月は乳がん月間です。女性の方、今年は乳がん検診を受診されたでしょうか。
国立がん研究センターの最新データによれば、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は2人に1人。女性では、6人に1人ががんで亡くなっています。なかでも乳がんは、女性のがんり患数では1位で、がん死亡数でも5位となっています。

女性は、ついついご自身のことは後回しにしがちです。まだ乳がん検診を受けていない方は、ぜひ受診してください。
また男性の方は、ご家族の女性の方が受診したかどうかをこの機会に確認してください。

乳がんとは?

乳がんは乳腺の組織にできるがんで、多くは乳管から発生し、一部は乳腺小葉から発生します。
男性にも発生することがあり、男性も多くは女性と同様に乳管から発生します。

乳がんの主な症状は、乳房のしこり。ほかには、乳房にえくぼやただれができる、左右の乳房の形が非対照になる、乳頭から分泌物が出るなどがあります。乳がんは乳房の周りのリンパ節や、遠くの臓器(骨、肺など)に転移することがあります。

最新のデータでは、年間9万3858人の女性が乳がんにり患し、累積がんり患リスク(ある年齢までにある病気にり患するおおよその確率)としては、9人に1人が乳がんと診断されると計算しています。

乳がん患者が多くなるのは、30代後半の子育て世代から。死亡数が多くなるのは、40歳前後のアラフォー世代からです。公私ともに忙しくなる世代が、もっとも注意が必要な年代となるのです。

乳がん 年齢階級別り患率(女性)

出典:国立がん研究センター「2018年 全国かん登録罹患データ」より

30歳以上の方は乳がん検診を

がん検診の目的はがんを早期発見し、適切な治療を行い、がんによる死亡を減少させることです。
当健保では30歳以上の女性を対象に、乳がん検診を実施しています。対象の方は、ぜひ受診しましょう。
また、乳がんは自分で発見できる可能性があるがんです。月に一度はセルフチェックを心がけましょう。

【東京都 健康ステーション 乳がん自己触診】

予防策は?

がんは、生活習慣病の1つと位置付けられています。そのため生活習慣を改善することによって、リスクを軽減できる場合があります。
日本人を対象とした研究では、がん予防に効果的な対策として禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、身体活動、適正な体形維持、感染予防(※1)があげられています。
なかでも乳がん予防には飲酒を控え、閉経後の肥満を避けて体重を管理し、適度な運動を行うことがよいと考えられています。

がんを予防する生活習慣

(1)タバコを吸わない、
他人のタバコの煙をできるだけ避ける

 

(2)お酒は控えめに

一度の飲酒量はビールなら大瓶1本、ワインならグラス2杯、日本酒なら1合まで

 

(3)バランスのよい食生活

塩分を控えめにし、野菜・果物不足に注意した食事を摂取

 

(4)運動不足とならない

毎日の適度な運動(合計で60分歩く)と、週に1回は汗をかくような運動(早歩き60分、ランニング30分)を行う

 

(5)太りすぎない、やせすぎない

BMI(※2)で女性は21~25(男性は21~27)

 

(※1)肝炎ウイルス、ピロリ菌、ヒトパピローマウイルスなど、がんに関連するウイルスもあります。感染の有無について確認し、感染に対する対処をすることも重要です。
(※2)BMI=体格係数:[体重(kg)]÷[身長(m)2]

乳がんのリスク要因

乳がんの発生には、女性ホルモンのエストロゲンが関わっています。そうした観点から、下記の事項などが乳がんの発生と関連があると考えられています。
自分では変えられないものもありますが、生活習慣を変えることでリスクを減らすことができるものもあります。
生活を見直して、リスクを減らしていきましょう。

  • 初経年齢が早い
  • 閉経年齢が遅い
  • 出産歴がない
  • 初産年齢が遅い
  • 授乳歴がない
  • 閉経後の肥満
  • 飲酒習慣
  • 一親等の乳がんの家族歴
  • 良性乳腺疾患の既往歴

【厚生労働省 女性の健康推進室「ヘルスケアラボ」】

【東京都 ピンクリボン in 東京】

【東京都 TOKYO女子けんこう部】