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2022年03月09日

春のメンタルヘルスに気を付けて。

例年よりも厳しかった冬を抜け、桜の開花予報が流れる時期になりました。
気分も明るくなる気候ですが、春は心の健康に注意が必要な季節でもあります。
春は寒暖差が大きく、加えて入進学、就職、異動や引越など、心身ともに環境の変化が多い季節です。
気温差にともなう体温調節や、新しい環境での心身の疲労など、短期間で大きな変化に直面すると、体と心にストレスを与えてしまいます。
過剰なストレスは、心身の健康に悪影響を与えることになりかねません。気づかぬうちに、ストレスが強くなっていることもあります。この時期はご自身のことはもちろん、ご家族のことにも気を配ってあげましょう。

ストレスとは

ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる心身の緊張状態のことです。外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。
日常生活のなかで起こるさまざまな変化が、ストレスの原因になります。仕事がうまくいかない…といったマイナスのことだけでなく、進学や就職、昇進、結婚などのうれしい出来事でも刺激となり、ストレスの原因となることがあるのです。

ストレス反応は、心理面、身体面、行動面の3つがあります。心理面でのストレス反応には、活気の低下、イライラ、不安、抑うつ(気分の落ち込み、興味・関心の低下)などがあります。
身体面でのストレス反応には、体のふしぶしの痛み、頭痛、肩こり、腰痛、目の疲れ、動悸や息切れ、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、不眠などさまざまな症状があります。
また、行動面でのストレス反応には、飲酒量や喫煙量の増加や、仕事でのミスが多くなるなどがあります。

ストレス反応が長く続く場合は、過剰なストレス状態に陥っているサインかもしれません。こうした症状に気づいたら、日々の生活を見直して、ストレスへの対処法策を実施してみましょう。
また、症状の程度が重かったり、長期間続いたりする場合は、医療機関の専門家に相談することをおすすめします。

心の不調やストレス症状

心の不調やストレス症状が長く続いたり、日常生活に影響が出たりしている場合は、早めに専門機関に相談してみましょう。

気になる初期サイン
  • 気分が沈む、憂うつ
  • 何をするのにも元気が出ない
  • イライラする、怒りっぽい
  • 理由もないのに、不安な気持ちになる
  • 気持ちが落ち着かない
  • 胸がどきどきする、息苦しい
  • 何度も確かめないと気がすまない
  • 何も食べたくない、食事がおいしくない
  • なかなか寝つけない、熟睡できない
  • 夜中に何度も目が覚める

※「厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」より抜粋

ストレスへの対処法

ストレスと上手につきあうには、まず毎日の生活習慣を見直してみましょう。バランスの取れた食事や良質の睡眠、適度な運動の習慣を維持することが、心の健康をサポートします。

生活習慣

ストレスがたまったときの対策としては、日常生活のなかでリラックスできる時間を持つことが大切です。ゆっくりお風呂に入る、軽く体をストレッチする、好きな音楽を聴くなど、気軽にできることをまずやってみましょう。
ただし、お酒を飲んで気持ちを紛らわせようとすると、睡眠の質が低下して心も不安定になることがあるので、気をつけましょう。

相談

困ったときや気持ちがつらいときは、話を聞いてもらうだけで心が楽になることがあります。友人や家族、同僚、趣味の仲間など、身近の話せそうな人に話を聞いてもらいましょう。
また、心と体の不調が続くときには、早めに専門家に相談するようにしましょう。医師や自治体の相談所など、相談できる場所はたくさんあります。

▼ 社員ご本人と配偶者、およびそのいずれかの被扶養者の方々なら、身体や心の健康について、いつでも相談できる相談窓口です。

アルプスハロー健康相談

ストレスに関連する疾患(心身症)

ストレス反応がそのまま長引いていくと、メンタルヘルス面での症状だけでなく、身体的な疾患に至ることがあります。下記は、ストレスに関連していると考えられている疾患(心身症)のうち、代表的なものです。
これらの疾患が、すべてストレスに起因するわけではありません。ただ、こうした疾患を発症した際に、ストレスの影響が考えられる場合は、身体面での治療とともに、ストレス状態を改善していくことも重要になります。

ストレス関連疾患(心身症)
部位 主な症状
呼吸器系 気管支喘息、過換気症候群
循環器系 本態性高血圧症、冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)
消化器系 胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群など
内分泌・代謝系 単純性肥満症、糖尿病
神経・筋肉系 筋収縮性頭痛、痙性斜頚、書痙
皮膚科領域 慢性蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症
整形外科領域 慢性関節リウマチ、腰痛症
眼科領域 眼精疲労、本態性眼瞼麻痺
耳鼻咽喉科領域 メニエール病
歯科・口腔外科領域 顎関節症

※「厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳」より抜粋