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2022年07月08日

7月25日~31日は肝臓週間です。

7月28日は、WHO(世界保健機関)が定める「世界肝炎デー」です。日本でも、同日を「日本肝炎デー」としています。さらに、肝疾患や肝炎についての正しい知識の普及と、予防の重要性についての認識を高めることを目的として、この日を含む1週間を肝臓週間と設定しています。令和4年度は、7月25日~7月31日までが「肝臓週間」となりました。

「沈黙の臓器」といわれ、よほどのことがないと痛みなどの自覚症状のない肝臓。ふだんは意識することもありませんが、知らないうちに肝硬変や肝がんへ進行している場合があります。アルコールが好きな方はもちろんですが、そうでない方も、肝炎への理解を深めてください。

肝炎はどんな病気?

肝臓は、人間の体内で最大の臓器です。肝臓の主な働きは3つ。1つ目は体に必要なたん白の合成・栄養の貯蔵、2つ目は有害物質の解毒・分解、そして3つ目が食べ物の消化に必要な胆汁の合成・分泌です。生命を支える、化学工場の役割を担っているとされます。この肝臓の細胞が壊れてしまった状態が、肝炎です。
肝炎には、原因によってウイルス性(A型、B型、C型、D型、E型など)、薬物性、アルコール性、自己免疫性などの種類があります。このうちウイルス性肝炎は、肝炎ウイルスに感染することで発症します。

現在、日本で肝炎の多くを占めるのが、B型・C型肝炎です。肝炎ウイルスのキャリアはB型が少なくとも約110万人、C型は約90万人いると推定。また、肝炎を発症している患者さんは、B型が約19万人、C型は約30万人と推定されます。

ウイルス性肝炎(臨床経過による分類)
1.急性肝炎  A型、B型、E型ウイルスによるものが多い。
急激に肝細胞が障害され、発熱、全身倦怠感、黄疸などの症状を起こす。
自然経過で治癒する例が多い。
2.急性肝不全 急性肝炎のうち、8週間以内に血液中の凝固因子の値が一定の値以下に低下したもの。
3.慢性肝炎  B型、C型肝炎ウイルスによるものが多い。
長期間にわたり、肝障害が持続する。
徐々に肝臓が線維化し、肝硬変に至ることもある。

(出典) 厚生労働省 肝炎対策国民運動事業「知って、肝炎」サイトから

ウイルス性肝炎の感染を予防するには

ウイルス性肝炎は、国内最大級の感染症とされています。でも、日常生活では基本的な注意事項を守っていれば、ウイルスに感染することはほとんどありません。
ただし、B型およびC型肝炎ウイルスは、体内で主に肝臓と血液中に存在します。そのため、感染している人の血液に触れて自分の体の中に入ると、感染する危険性があります。

感染を防ぐために、ふだんの生活でどのようなことに注意すればよいのか、詳しくは下記サイトでご確認ください。

自分と周囲の人たちを守るには、まず検査を

日本人の肝炎の多くは、肝炎ウイルス感染によるウイルス性肝炎です。肝がんの原因の約80%が、肝炎ウイルスといわれています。
しかし、肝炎ウイルスに感染しても、多くは自覚症状がほとんどないため、自分が感染していることに気づいていません。知らずに放っておくと慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんに進む可能性があります。それを防ぐには、一度も検査を受けたことがない方は肝炎ウイルス検査を受けて、感染の有無を調べることが大切です。
肝炎ウイルスに感染していても、早期に適切な治療を行えば肝炎の治癒、あるいは肝硬変や肝がんへの悪化を予防することが可能です。
ご自身の安心のために、ご家族や周囲の人たちの安全のために検査を受けましょう。

「どこで検査すればよいか、分からない」という場合は、下記の厚生労働省のサイトで最寄りの施設を確認できます。また、地域の保健所などで実施している場合もあります。日程や費用は施設によって異なりますので、別途お問い合わせください。