けんぽニュース&お知らせ

2022年09月08日

健康増進普及月間に運動習慣を身につけましょう。

9月は、厚生労働省が定める「健康増進普及月間」です。
生活習慣病の特性や運動・食事・禁煙など、個人の生活習慣の改善の重要性について理解を深め、健康づくりを促進します。

特に運動習慣は、長引くコロナ禍で身体を動かす機会が減っており注意が必要です。
「増えた体重が戻らない」「生活の習慣が変わってしまった」という方もいらっしゃることと思います。
この機会に、ぜひ生活に運動習慣を取り入れ、健康づくりを目指しましょう。

「運動習慣」はなぜ大切?

「運動習慣は本当に必要なの?」そう思っている方も、おられるかもしれません。
少し古いデータですが、2007年の調査では運動不足が原因で毎年約5万人が死亡しているというデータがあります。また、運動習慣を持つことで虚血性心疾患、高血圧、糖尿病、肥満、骨粗鬆症、乳がん・結腸がんなどの罹患率や死亡率が低くなるとされています。
スポーツ庁でも、適度な運動を習慣化できれば、運動不足を原因とする死亡者数は減少させることが可能だとしています。

日本人の主な死亡原因 2021年
日本人の主な死亡原因 2021年

(出典) 厚生労働省「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況」より

運動には様々な効果があるとされており、子どもの場合は発育期の健全な成長に欠かせません。
まずは、仕事の合間や通勤の時間など、スキマ時間を使った運動から始めてみましょう。

【スポーツ・運動がもたらす効果】

  • 自己免疫力の向上⇒感染に対する抵抗力
  • ストレス解消⇒メンタルヘルスの改善
  • 体重コントロール⇒生活習慣病の予防・改善
  • 体力の維持・向上⇒筋力の維持・向上
  • 血流の促進⇒腰痛・肩こりの改善、冷え性・便秘の解消、良好な睡眠

<高齢者の場合>

  • 筋量・筋力の維持、転倒防止
  • 認知症予防
  • 食欲増進

快眠習慣も大切に

睡眠も大切な生活習慣のひとつです。快眠は、規則正しい睡眠習慣から生まれます。どんなに運動をしても、バランスの良い食事を心がけても、眠りにつく時間が毎日ばらばらだと快眠は得られません。
体の中には体内時計があり、眠る時間に近づくとホルモンの分泌や生理的な活動を調節し、睡眠を準備します。これらの活動は、自分の意志ではコントロールできません。規則正しい生活が体内時計を整え、快眠へと導きます。
体内時計の調整には、運動や入浴が大切です。運動習慣がある人には、不眠が少ないことが分かっています。また、深い睡眠をとるには、就寝の2~3時間前の入浴が理想です。

若くても「ロコモ対策」は必要?

運動器(骨・関節・筋肉・神経など)の障害のために、立つ・歩くなど、移動する力が衰えた状態を「ロコモティブシンドローム」=ロコモといいます。
ロコモが進行すると、将来介護が必要になるリスクが高くなります。要支援、要介護になる原因のトップは転倒、骨折や関節の病気など、運動器の故障なのです。

原因は、骨粗鬆症や変形性関節症などの骨や関節の病気のほか、加齢や運動不足で骨や筋肉の機能が衰えることがあげられます。高齢者に多い症状ですが、最近は若い方でも運動不足でロコモになるとされています。ゲームや塾通いなどで運動量が減ったことで、「子どもロコモ」も増えているといわれています。

コロナ禍の影響による運動不足が、ロコモを悪化させているという調査結果もあります。高齢者だけでなく、あらゆる年齢層で運動不足には注意が必要です。
「最近、歩く速度が遅くなったかな?」など、筋力の衰えを感じたらロコモ度をチェックしてみましょう。

禁煙にチャレンジ!

喫煙はがんをはじめ、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や結核などの呼吸器疾患、2型糖尿病、歯周病など、多くの病気と関係していることが分かっています。
また、喫煙者が吸う煙だけではなく、タバコから立ち昇る煙や喫煙者が吐き出す煙にも、ニコチンやタールなど多くの有害物質が含まれています。喫煙者の周囲にいる人たちは、たばこの煙を吸わされてしまうことで、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中など、深刻な健康への影響を受けています。
ご自身のために、周囲の人たちのために、ぜひ禁煙にチャレンジしてください。