けんぽニュース&お知らせ

2023年05月11日

5月31日は世界禁煙デーです。

世界保健機関(WHO)は、平成元年に5月31日を「世界禁煙デー」に定めています。
日本でも厚生労働省が、世界禁煙デーに始まる1週間(5月31日~6月6日)を「禁煙週間」としています。

この機会に、喫煙される方はもちろん、喫煙しない方も禁煙や分煙について考えてみましょう。

喫煙の健康影響について

喫煙はがん、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や結核などの呼吸器疾患、2型糖尿病(※1)、歯周病など多くの病気と関係していることが分かっています。
また、喫煙を始める年齢が若いほど、がんや循環器疾患のリスクを高め、総死亡率が高くなることも分かってきました。

能動喫煙による健康影響(成人の場合)(※2) :レベル1(※3)
がん 肺、口腔・咽頭、喉頭、鼻腔・副鼻腔、食道、胃、肝、膵、膀胱、子宮頸部
肺がん患者の生命予後悪化、がん患者の二次がん罹患、かぎたばこによる発がん
循環器の病気 虚血性心疾患、脳卒中、腹部大動脈瘤、末梢動脈硬化症
呼吸器の病気 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸機能低下、結核による死亡
糖尿病 2型糖尿病(※1)の発症
その他 歯周病、ニコチン依存症、妊婦の喫煙による乳幼児突然死症候群(SIDS)、早産、
低出生体重・胎児発育遅延

※1 2型糖尿病 : 2型糖尿病となる原因は、遺伝的な影響に加えて、食べ過ぎ、運動不足、肥満などの生活習慣的な影響があるとされる。
※2 出典 : 厚生労働省 喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書 2016
※3 レベル1 : 「レベル1」とは、科学的証拠は因果関係を推定するのに十分であるものを指す。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、タバコの煙を吸うことで肺の中の気管支に炎症が起き、セキやたんが長引いたり、息苦しさを感じるようになる病気です。また気管支が細くなることによって、呼吸がしにくくなることもあり、重症化すると命に関わります。
COPDの最大の原因は喫煙です。気づかないうちに少しずつ悪化していき、気づいたころには重症化していることもあります。
気になる症状がある方は、早めにかかりつけ医に相談しましょう。

受動喫煙の影響について

喫煙者が吸っている煙だけではなく、タバコから立ち昇る煙や喫煙者が吐き出す煙にも、ニコチンやタールなど、多くの有害物質が含まれています。本人は喫煙しなくても、周囲のタバコの煙を吸わされてしまうことを受動喫煙と言います。
受動喫煙との関連が「確実」と判定されている健康への影響には肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群(SIDS)の4疾患があります。この4疾患について、受動喫煙が原因で死亡した人数は年間約1万5,000人と推計されています。(※4)
また、乳がん、慢性閉そく性肺疾患、子どもの喘息の発症と重症化、う歯(虫歯)、低出生体重、 胎児発育遅延、中耳炎といった病気も、受動喫煙と関係があると考えられています。(※4)

※4 出典 : 片野田耕太(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター)
   「たばこ対策の健康影響および経済影響の包括的評価に関する研究」平成27年度報告 より

禁煙を始めましょう

タバコの煙に含まれる有害物質は、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞など、命に関わるさまざまな病気の引き金になるだけでなく、身の回りにいる人の健康にも悪影響を及ぼします。ご自身と周囲の方々の健康のためにも、喫煙習慣のある方は、すぐにでも禁煙に取りかかりましょう。

禁煙は始めて24時間後には、心臓発作が起きる危険性が低下するといわれています。
禁煙後、早ければ1カ月経過段階で、セキやたんなどの呼吸器症状の減少がみられるほか、免疫機能が回復してインフルエンザなどの感染症にかかる危険性も低下することが明らかになっています。

また新型コロナウイルス感染症に関しても、非喫煙者は喫煙者と比較して、重症となる可能性が低いことも明らかになっています。

禁煙の効果
8時間後 血中の一酸化炭素濃度が下がる。
血中の酸素濃度が上がる。
24時間後 心臓発作の可能性が少なくなる。
数日後 味覚や嗅覚が改善する。
2週間~3カ月後 心臓や血管など、循環機能が改善する。
1カ月~9カ月後 セキや喘鳴が改善する。スタミナが戻る。気道の自浄作用が改善し、感染を起こしにくくなる。
1年後 肺機能の改善がみられる。
2~4年後 虚血性心疾患のリスクが、喫煙を続けた場合に比べて35%減少する。脳梗塞のリスクも低下する。
5~9年後 肺がんのリスクが喫煙を続けた場合に比べて明らかに低下する。
10~15年後 さまざまな病気にかかるリスクが非喫煙者のレベルまで近付く。

出典 : 厚生労働省「e-ヘルスネット 禁煙の効果」より抜粋

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