けんぽニュース&お知らせ

2025年11月06日

11月9日から「糖尿病予防週間」です。

2025年11月14日は、世界糖尿病デー(World Diabetes Day)です。
世界糖尿病デーは、世界に拡がる糖尿病の脅威に対応するために、2006年に国連で公式に認定。糖尿病の予防や治療継続の重要性について、広く知らせる日となっています。
今年は11月9日~15日の1週間を糖尿病週間として、各地で糖尿病に関する健康相談や広報活動が行われます。

「血糖値高め」が気になっている方は、ご自身の生活習慣を見直してみてください。

「糖尿病」とは

糖尿病は、インスリンの働きが不十分なために、血液中を流れるブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンで、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。
血糖の濃度(血糖値)が高いまま(高血糖)で何年も放置すると、血管が傷つき、将来的に心臓病や失明、腎不全、足の切断など、より重い病気(糖尿病の慢性合併症)につながります。

糖尿病には、1型糖尿病や2型糖尿病、妊娠糖尿病などがあります

1型糖尿病と2型糖尿病の特徴
1型糖尿病 2型糖尿病
すい臓でインスリンをつくる細胞が壊れてしまうため、インスリンがすい臓からほとんど出なくなり、血糖値が高くなる 原因 生活習慣や体質の影響により、インスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなったりして血糖値が高くなる
口渇・多飲・多尿など急激に症状が現れて、糖尿病になることが多い 症状 症状が現れないこともあり、気が付かないうちに進行する
若年に多い(ただし何歳でも発症する) 発症
年齢
中高年に多い
やせ型の人が多い 体型 肥満の人が多いが、やせ型の人もいる
インスリンの注射 治療 食事療法・運動療法・飲み薬、場合によってはインスリンなどの注射を行う

(出典)厚生労働省 みんなで知ろう!からだのこと「第4回 糖尿病ってなぁに?」より

高血糖の判断基準とは?

高血糖の判断基準として用いられるのが、血液中のブドウ糖の量を示す「血糖値」と、赤血球のヘモグロビンとブドウ糖が結合している割合を示す「HbA1c」です。空腹時血糖値が100mg/dL以上、またはHbA1cが5.6%以上であると、糖尿病に将来なりやすい「糖尿病予備群」です。
また、空腹時血糖値が126mg/dL以上、またはHbA1cが6.5%以上の場合は糖尿病の可能性が高く、10年後に合併症を起こす危険性が高くなる数値です。

血糖値の区分
血糖値の区分

(出典)厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~「健康イベント&コンテンツ」より

糖尿病を予防するには

まだ糖尿病と診断されるほど血糖値が高くないけれど、正常よりは高くなってきた状態を「糖尿病の境界型」もしくは「糖尿病予備群」といいます。

糖尿病予備群といわれたことのある方の中には、「まだ糖尿病ではないから、食生活の改善や運動をする必要はない」と思っている方がいるかもしれません。しかし糖尿病の予備群の段階でも、身体の中では変化がおき始めています。

血糖値を下げるホルモンであるインスリンが出にくくなったり、効きづらくなったりする変化は、糖尿病と診断されるずっと前の段階からあると言われています。糖尿病予備群と言われる状態から、糖尿病になるにつれて、インスリンの働きは徐々に弱まっていきます。
血糖値が高い状態が続くと、全身の血管にダメージを与えます。そのため、血管の老化である動脈硬化は、糖尿病予備群の段階から生じており、心臓や脳などの血管の病気になりやすくなります。

【糖尿病の発症リスク】

年齢…1歳年を取るごとに男性・女性ともに2%上昇
肥満指数…BMIが1kg/m²増えるごとに、男性・女性とも17%上昇
糖尿病の家族歴…家族歴があると、男性で2.0倍、女性で2.7倍上昇
高血圧…高血圧があると、男性で1.3倍、女性で1.8倍上昇
喫煙…1日20本以上吸う方は吸わない方と比べて、男性で1.4倍、女性で3.0倍上昇
飲酒…1日1合以上飲む方は、飲まない方と比べて男性で1.3倍上昇

(出典)国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター「糖尿病予備群といわれたら」 より

2型糖尿病を予防する生活習慣とは

糖尿病予備群では、生活習慣の改善により糖尿病の発症のリスクを減らすことができます。
また下記の取組みは、脳梗塞や心筋梗塞などの病気のリスクを減らすことにもつながります。

  • 食事は腹八分目でやめる
  • 規則正しい食事と、カロリーを取りすぎないよう腹八分目を心がける。

  • 野菜を積極的に摂取する
  • 食物繊維の多い野菜・海藻・きのこ類は、糖の吸収を緩やかにして、血糖の上昇を抑える。

  • 散歩などの運動を少しずつでも始める
  • からだをよく動かすことを心がけよう。筋肉を動かすとインスリンの働きが活性化し、同時に内臓脂肪も燃焼して、ダブル効果で血糖値がさがる。

  • 体重管理
  • 健康的な体重を維持すること、特に腹部肥満を避けることが糖尿病予防につながる。

  • 禁煙する
  • 喫煙はインスリン抵抗性を高め、糖尿病リスクを増加させる。

  • 健康状態の確認のために健診を受ける
  • 定期的に健診を受診して早期に糖尿病を見つけ、合併症が進行する前に治療を開始することが重要。

  • ストレスと上手につきあう
  • 睡眠不足や過度なストレスは、ホルモンバランスを崩し高血糖になりやすいとされる。