けんぽニュース&お知らせ
2025年12月16日
冬の感染症にご注意!
今年は例年よりも早くインフルエンザの流行期となり、感染者数も多くなっています。
冬季はインフルエンザ以外にも、注意が必要な感染症がいくつかあります。
基本的な感染防止対策を徹底するとともに、体調に異変があった際は、早めに医療機関を受診しましょう。
なぜ、冬に感染症への注意が必要?
冬は、呼吸器感染症や感染性胃腸炎など、さまざまなタイプの感染症が流行する季節です。
低温・低湿度を好むウイルスにとって、寒くて空気が乾燥する冬は最適な環境です。空気が乾燥すると、ウイルスが空気中に浮遊して、伝播しやすくなることも感染を拡大する要因となります。
また、寒さのため体温が低くなり、代謝機能が低下すると免疫力も低下します。さらに鼻やのどなど、粘液でウイルスの侵入を防いでいる粘膜が乾燥によって傷み、ウイルス感染が起こりやすくなります。
急性呼吸器感染症(ARI)について
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)とは、急性の上気道炎(鼻炎、副鼻腔炎、咽頭炎、喉頭炎)、または下気道炎(気管支炎、細気管支炎、肺炎)を指す病原体による症候群の総称です。
インフルエンザ、新型コロナウイルス、RSウイルス、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、ヘルパンギーナなどが含まれます。
急性呼吸器感染症は、ウイルスや細菌など多様な病原体によって引き起こされます。飛沫感染、エアロゾル感染、接触感染などを中心に感染が拡大し、場合によっては重症化するなどの特徴を持っています。
厚生労働省では、こうした感染症を一つの「症候群」として捉え、急性呼吸器感染症の発生の予防・まん延の防止へ対応を進めています。
特に冬季に流行するインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症には注意が必要です。
急性呼吸器感染症の予防策は
急性呼吸器感染症を予防するには、以下のような対策が有効だとされています。
(1)外出後の手洗い
流水・石けんによる手洗いは、手指など体についた病原体を物理的に除去する有効な方法。接触や飛沫感染などを感染経路とする、感染症の基本的な対策です。
(2)適度な湿度
空気が乾燥すると、急性呼吸器感染症にかかりやすくなります。室内では加湿器などを使って、適切な湿度(50~60%)を保ちましょう。
(3)十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を心がけることが大切です。
(4)人混みや繁華街への外出を控える
インフルエンザなどの急性呼吸器感染症が流行時期は、特に高齢の方や基礎疾患のある方、妊婦、体調の悪い方は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。
(5)室内ではこまめに換気をする
季節を問わず、十分な換気が必要です。寒い時期ですが、家庭でも最小限の換気量を確保しましょう。
感染性胃腸炎について
感染性胃腸炎にはノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどがあります。年間の食中毒の患者数の約半分はノロウイルスによるものですが、うち約6割は11月から2月の寒い時期に発生しています。
主な症状は吐き気、おう吐、下痢、腹痛で、健康な方は軽症で回復しますが、子どもや高齢者などが感染すると、重症化することがあります。
(出典)厚生労働省 食中毒の原因(細菌以外) この冬はノロウイルスに注意しましょう! より
感染性胃腸炎の予防策は
(1)ウイルスをキッチンや食卓内に「持ち込まない」。
感染した人が調理した食べ物を介して、ノロウイルスに感染する例が多く報告されています。
家庭内でもノロウイルスに感染しないように、普段から手洗いや健康状態に注意が必要です。また、下痢やおう吐、風邪のような症状がある人は、できるだけ食品を直接取り扱わないようにしましょう。
(2)食べ物や調理器具にウイルスを「ひろげない」。
まな板、包丁などの調理器具、食器、ふきん、タオルなどは洗剤でよく洗い、熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱、またはそれと同等の効果がある方法で消毒してください。
(3)食べ物にウイルスを「つけない」。
手洗いは、手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。
調理をする前、調理中、料理の盛り付けの前、食事の前、トイレに行った後、汚物を処理した後には必ず手を洗いましょう。
(4)付着してしまったウイルスを加熱して「やっつける」。
加熱処理は、ウイルスを失活化させるのに有効な手段です。