海外の医療機関で診療を受けたら

日本の健康保険に加入している人は健康保険法により、海外滞在中に海外の医療機関へ支払った医療費について、帰国後請求できる「海外療養費」という制度があります。これにより、支払った医療費の一部が払い戻される場合があります。

海外の医療機関で診療を受けたら?

海外療養費支給制度について

海外の医療機関で受診した場合の診療費は、日本の健康保険法に基づき診療費の一部が支給されます。

  • 対象疾病は、日本国内の保険適用対象と同じです。
  • 海外で治療を受けた場合、国や医療機関により日本と請求金額が大きく異なることがあります。
  • 治療目的の渡航については、支給されません。

立て替え払いをした場合は?

海外で急病やケガで現地の医療機関にかかった場合など、こうした場合は本人が診療にかかった費用を一時全額立て替えて支払います。その費用は、あとで健康保険組合に請求し、払い戻しを受けることになります。

立て替え払いをする場合と、その後の手続き

【対象となるケース】

  • 急病など、やむを得ず現地で医療機関にかかったとき
  • 調剤薬局での処方薬購入費用のみ申請する場合

【支給金額】

海外の病院などでの治療費は、各国によって異なります。海外療養費の額は、日本国内で同様の病気やケガをして、健康保険で治療を受けた場合を基準にして決定します。

[実際に支払った額(日本円に換算した額)が、日本国内での保険診療費より低い場合]

支給額:実際に患者が支払った額×7割(※)
※小学校入学前は8割、70~74歳は8割(ただし現役並み所得者は7割)

[実際に支払った額(日本円に換算した額)が日本国内での保険診療費より高い場合]

支給額:日本国内での保険診療費×7割(※)
※小学校入学前は8割、70~74歳は8割(ただし現役並み所得者は7割)

【提出書類】

【注意事項】

海外療養費は、支給決定日の外国為替換算率(TTS)から算出した額と、実際に海外で支払った額を比較して、低い額で支給決定されます。
そのため、実際に海外で支払った金額よりも大幅に低くなる場合があります。必要に応じて、海外旅行保険などへの加入をお勧めします。

[時効に関する注意]

海外で診療費を支払った日の翌日から起算して2年を経過した日をもって、申請する権利がなくなります。