高額な医療費がかかったら

重篤な病気にかかったり長期入院したときは、多額な自己負担をしなければならない場合があります。このような場合に社員本人や家族の負担を軽くするため、自己負担限度額を超えた分は、高額療養費として健康保険組合から支給されます。

高額な医療費がかかったら?

負担が高額になった場合

医療費の自己負担が高額になったとき、自己負担限度額を超えた分が「高額療養費」として支給されます。家族の場合は、「家族高額療養費」が支給されます。自己負担限度額は年齢や収入などで異なります。高額療養費は申請しなくても、健康保険組合で自動的に計算し、最短で診療月の3カ月後に給与と一緒(任意継続被保険者は指定口座)に振り込まれます。
高額療養費の対象となるのは保健医療機関に加えて、保険薬局、指定訪問看護事業者にも適用されます。

なお、健康保険適用外治療、入院時の食事療養に要する標準負担額、差額ベッド代などは高額療養の対象外になります。

高額療養費の算定

高額療養費の算定は、次のような要件ごとに行われます。

  • 1人ごと
  • 診療月ごと(月の1日から末日までを1カ月とする)
  • 病院ごと、入院・通院別、医科・歯科別
自己負担限度額
自己負担限度額

※被保険者本人が非課税の場合は、限度額適用・標準負担額認定申請が可能です。

※標準報酬月額が区分「ア」「イ」に該当する場合は、市区町村税の非課税者であっても区分「ア」「イ」の適用となります。

アルプス電気健保組合の付加給付

社員本人が同じ病院などで診療を受け、保険の対象となる医療費の自己負担が1カ月あたり一般所得者(標準報酬月額が50万円以下)の方は25,000円以上、上位所得者(標準報酬月額が53万円以上)の方は50,000円を超えた場合(高額療養費は除く)、その超えた額が「一部負担還元金」として支給されます。
同じ病院が発行した処方箋(通院のみ)で、調剤薬局で薬をもらった場合の薬剤費も含まれます。
被扶養者(家族)の方も、本人と同様に「家族療養付加金」が支給されます。(いずれも100円未満の端数は切捨て)

健保組合からの付加給付と自治体などの医療費助成が重複する場合は、健保組合と自治体で調整しています。
自己負担額に自治体などの医療費助成がある場合は、速やかに健保組合にご連絡をお願いいたします。
重複受給が確認された場合は、付加給付分をご返金いただく場合があります。

[例] 高額療養費(法定給付)/一部負担還元金(付加給付)算定(標準報酬月額が28万~50万円の場合)
[例] 高額療養費(法定給付)/一部負担還元金(付加給付)算定(標準報酬月額が28万~50万円の場合)

高額療養費の負担軽減措置

世帯合算の特例

同一世帯(社員本人・家族)で、1ヵ月に21,000円以上の自己負担額が2件以上あったときに、それぞれの自己負担額を合算して自己負担限度額を超えた場合は、自己負担限度額を超えた額が「合算高額療養費」として健康保険組合から支給されます。(ただし、70歳以上75歳未満の方がいる世帯では、算定方法が異なります)

注意

「後期高齢者医療制度」の対象者とは、世帯合算できません。

合算高額療養費の付加給付

合算高額療養費(社員本人・家族)が支給される場合に、その自己負担額の合計額(合算高額療養費)から、1人当たり一般所得者(標準報酬月額が50万円以下)の方は25,000円、上位所得者(標準報酬月額が53万円以上)の方は50,000円を差し引いた額(100円未満は切り捨て)が支給されます。これを「合算高額療養費付加金」といいます。

※健康保険適用外治療、入院時の食事療養に要する標準負担額、差額ベッド代などは対象外になります。

[例] 世帯合算(1カ月)(標準報酬月額が28万~50万円の場合)
[例] 世帯合算(1カ月)(標準報酬月額が28万~50万円の場合)
多数該当の特例

高額療養費の支給月数が1年間で4回以上となる場合は、4回目以降は自己負担限度額が軽減されます。

4回目以降 自己負担限度額
4回目以降  自己負担限度額

※被保険者本人が非課税の場合は、限度額適用・標準負担額認定申請が可能です。

※標準報酬月額が区分「ア」「イ」に該当する場合は、市区町村税の非課税者であっても区分「ア」「イ」の適用となります。

特定疾病の特例

人工透析などを受けている場合で、健康保険組合から「健康保険特定疾病療養受療証」の交付を受けている方は、保険証(2025年12月1日まで)または資格確認書とあわせて「健康保険特定疾病療養受療証」を提示すると、外来・入院とも自己負担限度額は1カ月に10,000円となります。ただし、人工透析を必要とする慢性腎不全の方で、上位所得者(標準報酬月額53万円以上)の社員、またはその家族の方は自己負担限度額20,000円となります。

健康保険限度額適用認定について

※マイナンバーカードを健康保険証として使用される場合は、医療機関などで自動的に限度額が適用されますので、限度額適用認定証の交付を申請する必要はありません。

入院や外来受診で自己負担額が高額になる場合は、事前に健康保険組合に「健康保険限度額適用認定証」の発行を申請してください。認定証の交付を受けて支払いの際に提示すれば、病院の窓口での支払いが自己負担限度額までとなります。

申請対象となる方
<健康保険限度額適用認定>書類提出について
提出書類 健康保険限度額適用認定申請書
添付書類 なし
提出時期

入院する場合:入院前もしくは退院前に申請書を提出(詳細は該当病院の支払窓口にてご確認願います)

通院する場合:事前に申請書を提出

提出先

社員の方:各事業部の総務・社会保険担当者宛

任意継続被保険者:健保組合宛

※市区町村民税が非課税等の方は事前に健保組合までお問い合わせください。

70歳以上75歳未満の方の限度額適用認定証について

※マイナンバーカードを健康保険証として使用される場合は、「高齢者受給者証」と「限度額適用認定証」いずれも提示不要です。

所得区分が現役並みⅠ、現役並みⅡの方は、「高齢者受給者証」と「限度額適用認定証」を提示することで自己負担限度額までの支払いとなります。

70歳~75歳の自己負担限度額の詳細は「健保の仕組み 高齢者医療制度(70歳~75歳未満)」をご確認ください。

「健康保険特定疾病療養受療証」について

※マイナンバーカードを健康保険証として使用される場合も申請は必要です。ただし当組合の事務処理が完了次第、マイナ保険証による受診時に認定疾病の情報が反映されます。医療機関などで自動的に限度額が適用されますので、健康保険特定疾病療養受療証の交付はいたしません。

社員やその家族の方が人工透析や血友病など、高額な治療を長期間必要とする病気になった場合は、本人の申請によって「健康保険特定疾病療養受療証」が健康保険組合から交付されます。
「健康保険特定疾病療養受療証」は、特定疾病の治療に対してのみ有効で、複数の医療機関で治療を受けた場合は、医療機関ごとに自己負担限度額が10,000円(※)に軽減されます。
該当する療養を受ける場合は、すみやかに健康保険組合へご連絡ください。必要書類をお送りするなど、「健康保険特定疾病療養受療証」交付の手続きを進めます。

※ただし、人工透析を要する患者が上位所得者に該当する場合は、自己負担額が1カ月20,000円になります。

特定疾病の治療時に「健康保険特定疾病療養受療証」を提示すると
  • 医療機関ごと(入院・通院別)に、1カ月の自己負担限度額が10,000円に軽減されます。
  • 特定疾病で受診している医療機関からの処方箋によって、院外の調剤薬局で薬をもらった場合は、医療機関での支払いと薬剤費の合計が自己負担限度額(1カ月10,000円)までとなります。
対象となる特定疾病
  • 人工腎臓を実施している慢性腎不全(人工透析)
  • 血漿分画製剤を投与している第8因子障害、および先天性血液凝固第9因子障害(血友病)
  • 血液凝固因子製剤の投与に起因するHIV感染症